ダイエル® パーフロ

 ダイエルパーフロは、炭素、フッ素、酸素原子のみからなる化学構造をしており、あらゆる薬品、溶剤に対して最高の耐性を示します。

従来のフッ素ゴムでは使用が困難であったケトン・エステル類の薬品にも使用できます。
また、ダイエルパーフロは、成形が容易で、通常のフッ素ゴムの成形加工設備が使用できます。

特長

  • 耐薬品性、耐溶剤性、耐油性が非常に優れています。
  • 低温特性が良くなっています。
  • コンパウンドから加工でき、通常のフッ素ゴムと同じ成形設備で加工できます。
  • 撥水・撥油性に優れています。

原料ゴムの性質

ダイエルパーフロの原料ゴムの性質を表1に示します。(いずれも、充填剤・加硫剤入りです。)
[表-1 原料ゴムの性質]

品種 GA-55 GA-65
比重(23℃) 1.94 2.12
ムーニー粘(ML1+10 100℃) 25~40 30~45
外度観 黒色 白色

①成形法
ダイエルパーフロには充填剤・加硫剤をあらかじめ添加してありますので、 再練りを加えるだけでそのまま加硫できます。 なお、加硫時に含ハロゲン化合物やパーオキサイド加硫系特有のガスが発生しますので、適当な換気を行うようにして下さい。

〔第1図 ダイエルパーフロ〈GA-55〉の加硫曲線(キュラストメーター)〕

加硫成形時にはダイエルパーフロ専用の離型剤が必要です。”ダイフリー”エアゾールタイプA-541、水性タイプGW-1051およびME-810をおすすめします。離型剤に関してご不明な点は当社までお問い合わせください。

②使用用途
ダイエルパーフロは、次のような分野への応用が期待されます。

利用する特性 分野 用途例
耐油・耐溶剤・耐薬品性など 分析機器
  • 気体・液体のクロマトグラフのシール・弁・ダイヤフラム部品
  • 滴定分析装置のシール部品
  • 公害防止分析・監視システム機器類のシール・チューブ・弁部品・ダイヤフラム
耐溶出・耐抽出・耐揮発性など 分析・理化学機器
  • 熱・質量・NMR・電子線・X線・真空・光学・溶出・抽出などの分析・理化学精密機器類におけるシール・チューブ・弁・ダイヤフラム部品
耐溶剤性 ペイント・塗装設備
印刷・塗布設備
OA機器
  • ポンプ・反応器・挽拌機・混合機類におけるシール・チューブ・弁・ダイヤフラム部品
  • 印刷ロール・塗布ロール・スクレーパー・チューブ・弁部品
  • プリンターなどインキ用チューブ・コピー用ロール・弁部品など

他のゴム素材と組み合わせて、ブレンド・ラミネート・その他複合化することも可能です。

③加硫ゴムの性質
(1) 一般的性質
ダイエルパーフロの性質を、従来のフッ素ゴムのうちでは最も耐薬品性のすぐれたタイプであるダイエルG-901と対比して表2に示します。

〔表-2 ダイエルパーフロ加硫ゴムの性質〕

項目 ダイエルパーフロ
(黒色配合)
ダイエルパーフロ
(白色配合)
ダイエル
G-901
GA-55(黒) GA-65(白)
比重 d 1.94 2.12 1.91
熱分解開始温度 約400 約400 約400
比熱 cal/g・℃ 0.2 0.2 0.3
熱伝導率 cal/cm・sec・℃ 8×10-4 6×10-4 6×10-4
ガラス化温度(DSC) -19 -19 -35
ゲーマンねじり試験T -21 -21 -7.5
硬さ JIS A 76 72 71
引張強さ kgf/cm2 128 100 214
伸び 120 150 370
引裂強さ kgf/cm 15 11 19
反撥弾性率 12 12 10
テーバー摩耗
CS-17 1,000g×2
mg/1,000回転 45 55 5
燃焼性(酸素指数) >95 >95 >95

圧縮永久ひずみの測定結果を表3に示します。

〔表-3 ダイエルパーフロ加硫ゴムの圧縮永久ひずみ〕

GA-55 GA-65 ダイエルG-901
200℃×24h(%) 18 17 28
200℃×70h(%) 25 21 32
150℃×70h(%) 20 20 16
100℃×70h(%) 21 23 12
25℃×70h(%) 30 30 12

(2) 耐薬品性・耐溶剤性
ダイエルパーフロの耐薬品性、耐溶剤性はフッ素ゴム中でも卓越しており、従来のフッ素ゴムでは使用困難だったケトン、エステル、フラン、有機酸、アルカリ、アミンにも使用可能です。第4表にダイエルパーフロの耐薬品性、耐溶剤性をダイエルG-901と対比して示します。

〔表-4 ダイエルパーフロ加硫ゴムの耐薬品性〕

ダイエルパーフロ加硫ゴムの耐薬品性(PDFファイル・78KB)

注)ご使用に関しては、事前に個々の使用条件に応じた機能テストを行うことをおすすめいたします。
※SUS、アルミなどの金属を腐食させる場合があります。そのようなことが予想される用途には当社までお問合せください。

(3) 熱的性質
■ 耐熱性
ダイエルパーフロの耐熱性はダイエルG-900系と同レベルです。第5表に各温度における加熱空気老化試験の結果を示します。

〔表5 ダイエルパーフロ加硫ゴムの加熱空気老化〕

ダイエルパーフロ ダイエル
G-901
GA-55 GA-65
常態引張強さ(kgf/cm2)
伸び(%)
硬さ JISA)
133
190
76
131
210
74
214
360
71
230℃×70h引張強さ変化率(%)
伸び変化率(%)
硬さ変化
-11
+25
-3
-11
+25
-1
-73
+13
-1
250℃×70h引張強さ変化率(%)
伸び変化率(%)
硬さ変化
-41
+75
-6
-30
+88
-4
-73
+130
-1

■ 低温特性
ゲーマン低温ねじり試験のデータを第2図に示します。

〔図2 ダイエルパーフロ加硫ゴムの低温ねじり試験〕

ダイエルパーフロ(GA-55) ダイエル(GA-901)
T2 -4.0℃ -1.5℃
T5 -11.5℃ -3.5℃
T10 -14.5℃ -5.0℃
T50 -21.0℃ -7.5℃
T100 -24.0℃ -8.5℃
凍結 -22.0℃ -8.0℃

(4) 電気的性質
ダイエルパーフロの電気的性質を表6に示します。

〔表6 ダイエルパーフロ加硫ゴムの電気的性質〕

項  目 ダイエルパーフロ
(GA-65)
ダイエルG-901
(純ゴム配合)
体積固有抵抗
(Ω-cm)
1.4×1017 2×1015
誘電率
(23℃、103Hz)
2.4 7.0
誘電正接
(23℃、103Hz)
2×10-17 6.8×10-2
絶縁破壊電圧
(kV/0.15mm)
7.0 9.3

(5) 食品安全性
ダイエルパーフロの食品衛生法 厚生省告示 第20号による適合性の試験結果を第7表に示します。

〔表7 ダイエルパーフロ加硫ゴムの食品衛生試験〕

項  目 結  果
(材質試験)

カドミウム
(溶出試験)
重金属
過マンガン酸カリウム
消費量
 
適合する
適合する
 
検出せず
適合する

※技術資料
ダイキン工業株式会社ダイエルパーフロによる測定値であり、保証値ではありません。

ダイエルR パーフロ


ダイエルパーフロは、炭素、フッ素、酸素原子のみからなる化学構造をしており、あらゆる薬品、溶剤に対して最高の耐性を示します。

従来のフッ素ゴムでは使用が困難であったケトン・エステル類の薬品にも使用できます。
また、ダイエルパーフロは、成形が容易で、通常のフッ素ゴムの成形加工設備が使用できます。

特長

  • 耐薬品性、耐溶剤性、耐油性が非常に優れています。
  • 低温特性が良くなっています。
  • コンパウンドから加工でき、通常のフッ素ゴムと同じ成形設備で加工できます。
  • 撥水・撥油性に優れています。

原料ゴムの性質

ダイエルパーフロの原料ゴムの性質を表1に示します。(いずれも、充填剤・加硫剤入りです。)
[表-1 原料ゴムの性質]

品種 GA-55 GA-65
比重(23℃) 1.94 2.12
ムーニー粘(ML1+10 100℃) 25~40 30~45
外度観 黒色 白色

①成形法
ダイエルパーフロには充填剤・加硫剤をあらかじめ添加してありますので、 再練りを加えるだけでそのまま加硫できます。 なお、加硫時に含ハロゲン化合物やパーオキサイド加硫系特有のガスが発生しますので、適当な換気を行うようにして下さい。

〔第1図 ダイエルパーフロ〈GA-55〉の加硫曲線(キュラストメーター)〕

加硫成形時にはダイエルパーフロ専用の離型剤が必要です。”ダイフリー”エアゾールタイプA-541、水性タイプGW-1051およびME-810をおすすめします。離型剤に関してご不明な点は当社までお問い合わせください。

②使用用途
ダイエルパーフロは、次のような分野への応用が期待されます。

利用する特性 分野 用途例
耐油・耐溶剤・耐薬品性など 分析機器
  • 気体・液体のクロマトグラフのシール・弁・ダイヤフラム部品
  • 滴定分析装置のシール部品
  • 公害防止分析・監視システム機器類のシール・チューブ・弁部品・ダイヤフラム
耐溶出・耐抽出・耐揮発性など 分析・理化学機器
  • 熱・質量・NMR・電子線・X線・真空・光学・溶出・抽出などの分析・理化学精密機器類におけるシール・チューブ・弁・ダイヤフラム部品
耐溶剤性 ペイント・塗装設備
印刷・塗布設備
OA機器
  • ポンプ・反応器・挽拌機・混合機類におけるシール・チューブ・弁・ダイヤフラム部品
  • 印刷ロール・塗布ロール・スクレーパー・チューブ・弁部品
  • プリンターなどインキ用チューブ・コピー用ロール・弁部品など

他のゴム素材と組み合わせて、ブレンド・ラミネート・その他複合化することも可能です。

③加硫ゴムの性質
(1) 一般的性質
ダイエルパーフロの性質を、従来のフッ素ゴムのうちでは最も耐薬品性のすぐれたタイプであるダイエルG-901と対比して表2に示します。

〔表-2 ダイエルパーフロ加硫ゴムの性質〕

項目 ダイエルパーフロ
(黒色配合)
ダイエルパーフロ
(白色配合)
ダイエル
G-901
GA-55(黒) GA-65(白)
比重 d 1.94 2.12 1.91
熱分解開始温度 約400 約400 約400
比熱 cal/g・℃ 0.2 0.2 0.3
熱伝導率 cal/cm・sec・℃ 8×10-4 6×10-4 6×10-4
ガラス化温度(DSC) -19 -19 -35
ゲーマンねじり試験T -21 -21 -7.5
硬さ JIS A 76 72 71
引張強さ kgf/cm2 128 100 214
伸び 120 150 370
引裂強さ kgf/cm 15 11 19
反撥弾性率 12 12 10
テーバー摩耗
CS-17 1,000g×2
mg/1,000回転 45 55 5
燃焼性(酸素指数) >95 >95 >95

圧縮永久ひずみの測定結果を表3に示します。

〔表-3 ダイエルパーフロ加硫ゴムの圧縮永久ひずみ〕

GA-55 GA-65 ダイエルG-901
200℃×24h(%) 18 17 28
200℃×70h(%) 25 21 32
150℃×70h(%) 20 20 16
100℃×70h(%) 21 23 12
25℃×70h(%) 30 30 12

(2) 耐薬品性・耐溶剤性
ダイエルパーフロの耐薬品性、耐溶剤性はフッ素ゴム中でも卓越しており、従来のフッ素ゴムでは使用困難だったケトン、エステル、フラン、有機酸、アルカリ、アミンにも使用可能です。第4表にダイエルパーフロの耐薬品性、耐溶剤性をダイエルG-901と対比して示します。

〔表-4 ダイエルパーフロ加硫ゴムの耐薬品性〕

ダイエルパーフロ加硫ゴムの耐薬品性(PDFファイル・78KB)

注)ご使用に関しては、事前に個々の使用条件に応じた機能テストを行うことをおすすめいたします。
※SUS、アルミなどの金属を腐食させる場合があります。そのようなことが予想される用途には当社までお問合せください。

(3) 熱的性質
■ 耐熱性
ダイエルパーフロの耐熱性はダイエルG-900系と同レベルです。第5表に各温度における加熱空気老化試験の結果を示します。

〔表5 ダイエルパーフロ加硫ゴムの加熱空気老化〕

ダイエルパーフロ ダイエル
G-901
GA-55 GA-65
常態引張強さ(kgf/cm2)
伸び(%)
硬さ JISA)
133
190
76
131
210
74
214
360
71
230℃×70h引張強さ変化率(%)
伸び変化率(%)
硬さ変化
-11
+25
-3
-11
+25
-1
-73
+13
-1
250℃×70h引張強さ変化率(%)
伸び変化率(%)
硬さ変化
-41
+75
-6
-30
+88
-4
-73
+130
-1

■ 低温特性
ゲーマン低温ねじり試験のデータを第2図に示します。

〔図2 ダイエルパーフロ加硫ゴムの低温ねじり試験〕

ダイエルパーフロ(GA-55) ダイエル(GA-901)
T2 -4.0℃ -1.5℃
T5 -11.5℃ -3.5℃
T10 -14.5℃ -5.0℃
T50 -21.0℃ -7.5℃
T100 -24.0℃ -8.5℃
凍結 -22.0℃ -8.0℃

(4) 電気的性質
ダイエルパーフロの電気的性質を表6に示します。

〔表6 ダイエルパーフロ加硫ゴムの電気的性質〕

項  目 ダイエルパーフロ
(GA-65)
ダイエルG-901
(純ゴム配合)
体積固有抵抗
(Ω-cm)
1.4×1017 2×1015
誘電率
(23℃、103Hz)
2.4 7.0
誘電正接
(23℃、103Hz)
2×10-17 6.8×10-2
絶縁破壊電圧
(kV/0.15mm)
7.0 9.3

(5) 食品安全性
ダイエルパーフロの食品衛生法 厚生省告示 第20号による適合性の試験結果を第7表に示します。

〔表7 ダイエルパーフロ加硫ゴムの食品衛生試験〕

項  目 結  果
(材質試験)

カドミウム
(溶出試験)
重金属
過マンガン酸カリウム
消費量
 
適合する
適合する
 
検出せず
適合する

※技術資料
ダイキン工業株式会社ダイエルパーフロによる測定値であり、保証値ではありません。

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