バックアップリング
Oリングを使用する運動部、固定部のシールで、流体圧力が高過ぎたり、軸のスキマが大きすぎるとOリングは低圧側にはみ出し、ムシレが生じ、破損してシール性がなくなります。このようなはみ出し現象を防止するのがバックアップリングです。
また、バックアップリングは、はみ出しが問題にならないような低圧の場合でも、Oリングの破損の大半であるムシレやネジレ損傷などの事故を防止して、Oリングの寿命を著しく長くするという効果があります。
バックアップリングは装着後圧力の増加とともに塑性変形を起こしてスキマを埋め、しかも使用圧力によってはみ出しを生じないことが必要で、流体圧力、スキマの大きさ、櫂動用の場合には、面のあらさ、櫂動速度などの使用条件により、皮、硬質ゴム、テフロン、ナイロン、軟金属などの材質が各々の用途によって使用されています。
皮はバックアップリングとして古くから使用されてきましたが、摩擦抵抗が大きく、機械的強さも弱いので、最近では殆どテフロンが用いられています。 テフロン、バックアップリングの形状には、スパイラル、バイアスカット、エンドレスの3種があります。効果はもちろんエンドレスが最も優れていますが、装着の便利さからバイアスカット、スパイラルも多く使用されます。
テフロンについて
テフロンとは四フッ化エチレン樹脂(Polytetrafluoroethylene)成形品の米国デュポン社の商品名です。四フッ化エチレン樹脂は1938年米国デュポン社の研究室で発見されたものでテフロンという商品名で一般に知られている樹脂です。